
様々な保険の種類がある中で、火災保険は損害保険の一種で、建物と建物内にある財産全てを、自然災害から守るための保険です。
火災保険という名前から、火災時の補償だけに限定されているというイメージがあるかもしれません。実は、火災の他にも、落雷、風災、水災(台風、洪水、土砂崩れ)、雪災、盗難など幅広い範囲が含まれています。
しかし、この火災保険において、保険金がおりないケースもあります。どのような場合に、火災保険の補償を受けることができないのか、「火災保険について知っておくべき事7選」を見ながら解説をしていきましょう。
目次
火災保険について知っておくべき事7選
1
経年劣化の場合
火災保険はそもそも「不測かつ突発的に起こった損害の補償を行うもの」なので、経年劣化による損害では補償を受けることはできません。
- 経年劣化で発生した雨漏り
また、あまりに劣化が進んでいる屋根の場合だと、災害で屋根が壊れても劣化が原因と判断されてしまう恐れもあります。日ごろから適切にメンテナンスを実施することが大切になります。
経年劣化以外でも申請時期が3年以上後になると保険金が受け取れない可能性が高くなります。
火災保険申請の期間を逃すことないよう、被害箇所がわかったら忘れないうちに申請するように気を付けましょう。
火災保険と経年劣化については以下の記事で詳しく解説しています。
2
重大な過失、法令違反の場合
契約者や被保険者、またはその同居親族等の「故意もしくは重大な過失または法令違反によって損害が生じた場合」
は免責事由にあたるので保険金が支払われません。
少しわかりにくいのが重大な過失です。重大な過失というのは、少しでも注意を払っていれば防げるのにもかかわらず、それを見過ごしてしまった場合です。しかし、その判断は難しいケースが多く、重大な過失にあたるか否かは個々のケースごとに判断されます。
- ガスコンロに火をかけたまま離れた
- 電気ストーブをつけたまま眠った
- 布団の上で寝タバコをしていた
故意ではなくても、注意不足がゆえに保険金がおりなくなってしまうケースも実際に発生しているので、乾燥している季節などはより一層注意が必要です。
3
地震、噴火の場合
一般的な火災保険では、「地震、噴火、またはこれらによる津波による損害」は補償対象外になります。地震等による損害で補償を受けるには火災保険とセットで契約する地震保険(対象は地震、噴火またはこれらによる津波が原因で起きた火災・損壊・埋没・流出などの損害)が必要です。
- 地震による屋根の倒壊
以下の記事では火災保険と地震保険の違いを詳しく解説しています。
4
初期不良やリフォーム時の不良の場合
新築時の初期不良により雨漏りが発生した場合やメンテナンスやリフォーム時による雨漏りは、人災のため火災保険は適用されません。
ただし、新築から10年以内に雨漏りが発生した場合は、家を建てた建築会社に初期不良として雨漏りを無償
で直してもらうことができます。またリフォームによる雨漏りのような不具合が発生した場合は、業者に責任を取らせる
ことが可能です。
5
免責金額以下の場合
免責金額の設定がある場合、発生した損害が免責金額以下の場合は保険金を受け取ることができません。免責金額は簡単に言えば自己負担額です。設定した免責金額分は保険金を受け取れず、自己負担する必要があります。
- 免責設定が20万円で損害額が19万円(〇免責設定が20万円で損害額が21万円)
免責タイプにはフランチャイズ方式(全額負担)と免責方式(差額負担)
があるので注意が必要です。
免責金額等詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
6
外観上の損傷の場合
単に「外観上だけの問題で、そのものが持つ機能に支障をきたしていない場合」
は、補償の対象外となります。
- 地震による屋根の倒壊
7
隙間からの吹き込みの場合
窓や戸などの隙間から風や雨、砂塵等が建物内部に吹き込んだことによる損害は補償の対象外となります。ただし、強風で屋根瓦等が飛んできて建物に当たって破損し、そこから雨が吹き込んで損害が発生したというような場合には風災補償の対象となります。
まとめ
いかがでしょうか?
火災保険の対象にならないケースは、主に経年劣化によるものが多いようですが、最近の火災保険はオリジナルの商品が多く補償範囲もそれぞれ異なりますので、必ず約款を再確認しておきましょう。
ただし、保険金がおりるかどうかは個別に判断されるため「どうせ補償対象外だから…」と自己判断せず、まずは信頼のできる業者に問い合わせることをおすすめします。